老杉神社の由緒をすこし説明

 

 草津川と葉山川に挟まれた沃野下笠の郷に第42代文武天皇慶雲元年4月平森の大杉に神霊が降臨になり、 のち社殿 を建て東西八郷に守護神として祀る。

 古くは下笠天王と称し農耕・織物・諸疫退散厄除けの神として御神徳を仰ぎ、後奈良天皇の御代に悪疫が畿内に蔓延し、退散祈願を斉行されその効、顕著にして天文九年天皇より正一位の神階を授けられ「正一位牛頭大明神」と呼称した。明治2年老杉神社と改称し、その間、長享元年に足利義尚将軍が御動座参拝になり、代々膳所藩主より神領を授けられ手厚く保護された。

 本殿は、第102代後花園天皇 宝徳4年下笠信濃守源高賀により造営され、明治39年4月14日特別保護建造物に、 昭和25年8月29日国の重要文化財に指定された。

 三間社流造で、建物は江戸時代に向拝廻りが大修理で木鼻などが取り替えられている。母屋は内外陣に分け、 内陣を三宝に区画している。隅柱の上には船肘木で軒桁を受け、その他の柱は軒桁を直接受ける簡素な形式である。母屋側面は二間であるが、 後間一間に妻梁を架けて前間一間を庇造りとする珍しい形式である。母屋には三方に縁・高欄を巡らし、脇障子が取付き浜園を設けている。 三重の玉や二連の椿を彫り込んだ蟇股や桐・椿・笹・魚などの欄間に彩色を施した中世建築では珍しい建物である。 

老杉神社の歴史
慶雲 元年  文武天皇の御代 神霊が平森大杉に降臨され のち社殿造営される
宝徳 4年  現在の社殿が美濃守源高賀により建造される
長享 元年  将軍足利義高参拝
享禄 3年  社殿改築
天文 9年  後奈良天皇より正一位の神位が贈られ「正一位牛頭大明神」「下笠天王」と称す
慶長 8年  神領10石を寄進される
寛文10年  暴風雨により神木の老杉が倒木 その銘木で神櫃を造り御神体を納置奉安
明治 2年  老杉神社と改称
明治 9年  村社に加列
明治39年  国の特別保護建造物に指定される
大正 4年  神饌弊帛料 供進指定となる
昭和24年  本殿屋根修理
昭和36年  第二室戸台風により楼門倒壊のち改築
昭和44年  本殿改修
昭和54年  防災設備工事施工
昭和56年  本殿棟木国重要文化財附指定される
平成 2年  大嘗祭記念 稲荷社改修
平成10年  社務所新築 駐車場整備
平成12年  老杉神社御鎮座壱千参百年式年奉祝大祭